社会福祉法人たちばな福祉会RISSHO KID’Sきらり岡本
園長:坂本喜一郎先生
● 2020年4月開園
● 保育理念:「一人の『夢』が、みんなの『夢』 になる。一人の『幸せ』が、みんなの『幸せ』になる

簡単写真共有システムDEKIGOTO開発者の鈴木が、3児の母の経験を通して憧れの保育園に突撃。今回は東京都世田谷区岡本にあるRISSHO KID’Sきらり岡本の坂本喜一郎園長にお会いしました。
鈴木:今日はありがとうございます。私、ずっときらりさんに行きたい行きたいと言っていたので、今回ご縁が繋がってこうして拝見して、もう感動しすぎてどうやってこの気持ちを伝えようか、めちゃくちゃ今前のめりです!きらりさんの保育理念「一人の『夢』が、みんなの『夢』 になる。一人の『幸せ』が、みんなの『幸せ』になる」が、手に取るように伝わってきたんですよね。こどもも先生も「やってみたいこと」をどんどん追いかけられる環境が整っていて、みんながきらりと光ってる!

鈴木’s eye① 一人一人のペースで遊び込める
坂本:そう言ってもらって嬉しいです!僕も鈴木さんみたいに「園庭と露天風呂がある園を作りたい」って言い続けていたら、不思議なご縁がつながってここ岡本に僕の夢が詰まった園舎を建てることができました。

鈴木’s eye② 園舎の屋上に設置された露天風呂
鈴木:露天風呂がある園は日本初、いや世界初かもしれないですよね!お風呂の中に座ると大きな空がすぐそこに広がって、肌で風を感じる、もうとてつもなくご機嫌になれる場所です。それに園庭を囲む廊下に立つと土のいい香りがふわっと漂ってきますね。小高い丘のような築山(つきやま)、ジャイアンがリサイタルしていそうな土管、6mの高さのもみの木にブルーベリーの木。常に五感がフル回転する園庭です。
坂本:階段から築山に向かってロープを張って、ターザンごっこができるようにしたいんですよ!

鈴木’s eye③園庭
坂本:ここは隣が公園で、周りに空を遮る高い建物もない。多摩川やその支流もあって川遊びも日常的にできますし、東京都内にいることを忘れるくらい自然に恵まれた立地です。2020年4月開園で僕にとっては四園目。今年から学童もスタートさせて0歳児から小学生まで合計104名のこどもたちと職員25名が生活していて、初めて空間的な意味で僕の理想を形にできた園ですね。
鈴木:喜一郎先生のルーツを知りたくて一園目のRISSHO KID‘Sきらり相模大野も見学させていただきました。駅近くのビルの2階にある園庭のないテナント園ですが、喜一郎先生は空間活用の魔術師ですよね!通りに面した大きな窓際に長テーブルとベンチがあるから、車が好きなこどもはいつまででも車を眺めていられるし、ご飯を食べる場所もその日こどもが食べたい場所を自分で選ぶので、その特等席で行き交う車を眺めながらご飯を食べられるなんて最高ですよね。

鈴木’s eye④相模大野の窓際
坂本:そうなんです。きらりはこどもの遊びを途切れさせない、遊び込んでいけるように工夫して保育をしています。車が好きなこどもはとことん車への興味を掘り下げながら日々を過ごすので、卒園する時にはもう大人顔負けの専門家になっています。やってみたいことに挑戦する姿をみんなで後押しするから、こどもも大人も誰でもみんなが人間らしく自分らしく生きている、これが本当に大事なことだと思っています。
鈴木:3歳児クラスから、はさみはみんなが触れるところに置いてあって、針や糸を使ってお裁縫もしてファッションショーをしたというお話しもとても新鮮でした!プロ顔負けです。
坂本:一人一人やってみたいことも違うし、やりたいことに対する集中が続く時間も違いますから、「その子がその子らしく生きられるように」ということを最優先にすると、大人の都合で危険だとルール化してしまったり、物事のラベリングをしたりするようなことは避けています。絵を描いたり、工作をしたりしている時に「これは何?」とは聞かないんですね。僕は健常児と要支援児というラベリングも嫌いで、きらりではいわゆる支援を必要とするこどもも、自分のペースで他のこどもたちと同じように落ち着いて一日を過ごすことを大切にしています。
鈴木:実は私、小学校の生活支援ボランティアをやっていたことがあって、週に何度も小学校へ足を運んで要支援児さんのサポートをしていました。みんなと同じタイミングで同じことはできないかもしれないけれど、その子のタイミングで一斉に教室でやっていることを取り入れながら学びを深めていくことはできるんです。その様子を小学校にもご家庭にも伝えたくて、写真と文章でまとめたドキュメンテーションを作成していて、実はそれが今回の写真共有システムDEKIGOTOへのきっかけでもあります。
坂本:鈴木さんはご自身の子育て経験だけで、保育士養成とか、教員資格とか、そういう教育分野の方ではないですよね?それなのにそういう大切なことに気づかれているって素晴らしいな!僕も感動してます!
鈴木:うちの両親が視覚障害者だったということが大きいかもしれません。母は亡くなりましたが、父は今78歳で自炊をして、ときどきは居酒屋に飲みに行ったりして、日々楽しく暮らしている姿をいつも見ています。自分らしく、人間らしくを受け入れて寄り添うことが小さい頃から自然だったからかもしれません。
坂本:きらりの特徴としてもう一つあるのが、こどもが「くつろげる場所づくり」です。岡本はそれこそ忍者屋敷のように大人の目から離れて隠れられるちょっとうす暗い場所や、寝転がれるソファがたくさんあります。

鈴木’s eye⑤秘密基地やくつろぎスペース
鈴木:ハシゴを上ったり、色んな扉から入れたり、狭くて暗かったりもして、秘密基地みたいなんですよね。小さい頃って家の押し入れに隠れて遊んだもんですよね。
坂本:安全を確保した上でのことですが、こうやって大人の目が届かない場所をわざと作っている理由があるんですね。質の高い遊びを追求しようと思うと、遊びだけを高めていくには無理があることに気付きました。大人だってこどもだって、疲れるんですよね。休まないと生産性上がらないですよね?だからこどもが自分のタイミングでくつろげるスペースを確保する。大人の目がとどかない場所がこどもにとってはリラックスできる時間だったりするんです。だからきらりには、秘密基地がいっぱいあるんです。
鈴木:0歳児クラスのお部屋にも秘密基地がありますね!
坂本:そうです。赤ちゃんだって、自分のタイミングでのインターバルがあります。僕は0歳から6歳までに育った「魂」は永遠だと思っていて、例えば引越したり、卒園したりで、きらりとは違う生活スタイルに変わったとしても、やっぱり人間らしい、自分らしい生き方は魂の中に必ず残っています。
鈴木:園でこどもたちの魂が形作られていくかけがえのない時間を保護者の方にもリアルタイムで感じてほしいんです。DEKIGOTOがとことん先生たちの写真共有の負担を減らすことにこだわった理由でもあります。写真を通して園と保護者の「接触頻度」が増えれば、おうちでの親子の会話や園と保護者の方のコミュニケーションが豊かになりますよね。DEKIGOTOが、こどもたちと、保護者、そして園の会話をいきいきと循環させるお手伝いができたら嬉しいです。特に写真って動画とは違って、想像する余白があるところが私は好きなんです。個人的に、写真には動画とは違う「想像する余白」があるところが魅力的だと思うんです。
坂本:鈴木さんがおっしゃる通り、写真は、言葉やビデオと違って、その1枚の中にほどよい量の真実や魅力が詰まっている素敵なメッセージだと思うんです。ぜひ、DEKIGOTOを通して、こどもが美しさや不思議にふれ感性を豊かに培う姿や、憧れと出会い逞しく生きようとする姿など、たくさんのわくわくを発信していってほしいです!
鈴木:今日は本当にありがとうございました!

社会福祉法人たちばな福祉会 RISSHO KID’Sきらり岡本 園長。玉川大学卒業後、同学校法人小学部及び幼稚部教諭を経て、実家の運営する立正保育園副園長に就任。2012年にRISSHO KID`S きらりを相模大野に立ち上げ、RISSHO KID`S きらり 岡本が4園目になる。玉川大学をはじめ複数の保育士養成校非常勤講師及びセミナーや研修講師を務める。最新著書に『6人の異彩なリーダーから学ぶ 保育の未来像: 選ばれる園になるための哲学と経営』(中央法規、2025年9月10日出版)がある。
大阪府出身。同志社大学卒業後、新卒で2004年株式会社USENに入社。光ファイバー営業で全国1位を獲得。GyaO!事業部の立ち上げに伴い異動し、念願だったバラエティー番組プロデュースを行う。出産を機にUSENを退社し、2011年リンクエイジ株式会社に入社。写真編集やデザインの責任者を経て、2017年に取締役に就任。2019年株式会社DEKIGOTO設立。ライフログアプリEFILの企画運営、ペット撮影会、デザイン・動画制作などプロデュース業務全般に携わる3児の母。